世は大・SNS時代。
総務省の調査(※)では、いまやLINEの国内普及率は90%を超え、Twitterやインスタグラムも40%以上の普及率を誇ります。
そんなSNSから恋愛や結婚に発展するケースも耳にしますが、果たして頻繁に起こりうるのでしょうか?
今回は総勢1,400名以上を対象に、国内の主要SNSと出会いに関する調査を実施しました。
調査結果をもとに、SNSと出会いの実態を紐解きます。
※参考:総務省・令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>
目次
SNSに出会いはある?
ENSPORTS編集部では、日本国内で主に利用される6つのSNSについて、男女の出会いに関する調査を実施しました。
結論、SNSをきっかけに恋愛的な出会いを成就させるのは難しい……と言えそうです。
自然と知り合いになった人と、何かのタイミングでオフ会で会うのは「アリ」と考える方が多い一方、はじめから出会い目的のSNS利用はほとんどの回答者に敬遠されていました。
そんな調査結果をもとに、SNSと出会いの実態をお伝えします。
SNSで恋人ができたことがある人は4.3%
まずは「SNSをきっかけに恋人ができた経験」に関する調査結果を紹介します。
各SNSに関する調査結果をトータルすると、SNSで恋人を作った経験があるのは1,450人中63人(4.3%)に留まりました。
恋人ができた人の割合をSNSごとに比較したのが、以下のランキングです。
- mixi:12.0%
- Twitter:6.0%
- Facebook:5.3%
- Instargram:4.7%
- LINE:3.0%
- TikTok:0.7%
恋人ができた回答者の割合が高かったのは、2000年代後半から流行したmixi。
とはいえmixiは2011年にトレンド全盛期を迎えており、利用者が減少した現在は、リアルに出会いを探すのは難しいでしょう。(そもそもmixiでは、出会い目的の利用が禁止されています)
日常的にSNSを利用する中で、たまたま自然な出会いがあれば素敵ですが、あえて出会いを求めて利用するのはおすすめの方法とは言えなさそうです。
SNSで恋人を探したことがある人は6.3%
続いて「SNSで出会いを探した経験」についての調査結果です。
各SNSに関する調査結果をトータルすると、1450人中91人(6.3%)になりました。正直なところ、男性はもっと出会いを探した経験者が多いと予想していただけに、思ったよりも少ない結果です。
ランキングは以下のとおり。
- mixi:16.0%
- Facebook:9.3%
- Twitter:8.0%
- Instargram:5.7%
- LINE:3.3%
- Tik Tok:3.3%
出会いを探したことのあるSNSに1位に輝いたのもmixi。2000年代後半は今ほどマッチングアプリが一般的でなく、mixiなどのコミュニティサイトを利用して恋人を探した人が多かったことも影響しているのでしょう。
現在主流のSNSの中では、Facebookが9.3%と高い結果でした。Facebookは実名制のSNSで、氏名や出身校名で他の利用者を探せるため、同級生や古い知り合いと再会して恋愛に発展するケースが多いようでした。
SNSをあらたな異性との出会いの場と考える人自体が、少数派だとわかります。
SNSで意気投合した人と会うかもしれない人は50.6%
また「SNS上で知り合った異性と、意気投合すれば実際に会う可能性はあるか」という意識調査もおこなったところ、「ある」と回答したのは735名(50.6%)でした。
「会うかもしれない」と回答した方の割合が多かった順にランキングが、以下のとおりです。
- Facebook:62.7%
- Instargram:57.0%
- Twitter:56.0%
- mixi:52.0%
- LINE:43.0%
- TikTok:40.3%
ひとつだけ60%を超えたのが、第1位のFacebook。Facebookは実名登録が基本ですから、そもそも近しいコミュニティでつながる特徴が、数値の高さに関係すると考えられます。
一方でSNSというよりも、動画配信・視聴ツールとして使われるTikTokや、知り合いと連絡をとるツールとしての認識があるLINEは、40%台と低い結果でした。
出会いが多いSNSランキング
今回の調査結果を踏まえ、SNSで実際に恋人ができたことがある人の割合が多い順のランキングを紹介します。
ただしどのSNSも、完全に出会い目的で利用するのはおすすめできません!
SNSは基本的に匿名性ですから、お相手の性別すらも本当のところはわかりません。出会いを求めて活動すると、そんな心理につけこむ業者に引っかかるトラブルも考えられます。
安全に出会いを探すなら、本人確認があって監視の目が行き届くマッチングアプリや婚活アプリがおすすめです。
その前提を頭に入れ、あくまでも知識として知るために、各SNSにおける出会いの実態をわかりやすくまとめました。
第1位:mixi(16.0%)
実際に出会いに発展した人が多かったSNSの第一位は、mixiです。
mixi(ミクシィ)は、日本国内2004年に誕生したSNS。開始当初は招待制のクローズ感も人気の発端になり、2011年頃にトレンド全盛期を迎えます。
その頃にはマッチングアプリのような健全な出会いサービスが存在せず、コミュニティが形成されていました。
ただし今も昔も、mixiは利用規約で「出会い目的の利用はNG」です。
出会いを探すなら、あくまでmixi内で交流して友達になった人とイベントやオフ会で会い、結果的に恋人まで発展するような自然な流れを期待するのがおすすめです。
30代女性の意見
10年以上前は今のように婚活アプリもなく、友達や恋人探しとして利用していました。近くに住んでいる人を趣味から探せるので便利でした。スマホが普及してからは他のSNSがたくさん出てきたので、出会い目的として使用することはなくなりました。
30代女性の意見
マッチングアプリとは違って昔からあるから安心感はあるけど、今あまり使ってる人いないし、若い人の出会いには向かないと思う。
第2位:Twitter(6.0%)
出会いに発展した人が多いSNS第2位はTwitter。
日常的に知り合いと交流するツールとしても利用されますから、意気投合した人同士のオフ会が開かれやすいSNSです。
画像よりテキストのコミュニケーションが多いため、SNS上でお互いの人となりがわかりやすいのも、ランキング上位になった理由のひとつでしょう。
とはいえTwitterで恋人ができたことがあるのは、300名中わずか18名です。
はじめから出会いに期待して使うよりも、多くの人とSNS上でつながる中で、たまたまオフ会が開催されるとき参加するような用途での利用をおすすめします。
出会い目的の男性を釣る目的の業者アカウントも存在しますから、重々注意して利用してください。
20代男性の意見
Twitterの出会いでも、しっかりと相手を見極め、一度会って相手のことをしっかりリアルで知ってから付き合うならば、不幸なことにはならないと思う。
30代女性の意見
私自身、趣味を通じて知り合った人が多く、性別年齢問わず仲良くなれます。互いの住んでいる地域に旅行したり、一緒にイベントに行ったりしています。本当に信頼できる人であれば、twitterでの出会いも良いと思います。
第3位:Facebook(5.3%)
出会いに発展した人が多いSNS第3位はFacebook(フェイスブック)。各国に30億人のユーザーをもつSNSです。
実名登録が基本で、日本人の知り合いはもちろん、外国人ともつながりやすいのがFacebookの特徴です。
今回の調査でとくに多かったのは、同級生とFacebookで再会して恋愛に発展したパターンです。一方であらたな出会いという意味では、Facebookで探すのは困難でしょう。
昨今はオンラインサロンでFacebookのグループが使われる機会も増え、アカウント自体は見るだけの目的で運用する方も増えているようです。
30代男性の意見
自分が20代の頃はFacebookがSNSの代表だったので、よく知り合いを探して出会いました。
40代男性の意見
フェイスブックは本名登録ですが、どっちかといえば、昔の同級生とかと再会したい人が利用することに向いてるので恋人探しとしてはあまり使えない印象です。
第4位:Instagram(インスタグラム)(4.6%)
出会いに発展した人が多いSNS4位はInstargram(インスタグラム)。
画像やショートムービーを投稿できるSNSで、全体的には女性ユーザーが多い傾向にあります。2017年にはインスタ映えが流行語大賞になるほどの一大ブームを引き起こしました。
顔やスタイルのわかる写真を載せるユーザーが多く、出会い目的で利用するならお相手のルックスを事前に判断しやすい利点があります。とはいえ加工された写真が掲載されることも多いため、その点は理解して利用してください。
また出会い目的で活動すると出会い厨として目立ちますから、とくに男性はほどほどにするのがおすすめです。
20代女性の意見
地元の人や同級生をフォローしているので、そこからの出会いはいいと思います。しかし、一度もあったことがない人と実際に会うのは怖いと思います。
30代女性の意見
普段から交流があり、私生活がなんとなくわかる写真を投稿しているような相手であれば、出会いとしてはありなのかなと思います。
第5位:LINE(3.0%)
出会いに発展した人が多いSNS第5位はLINE(ライン)です。
基本的には知り合いとのコミュニケーションツールとして利用する方が多く、令和4年に公開された総務省の調査では、10代から50代におけるLINEの利用率は90%を超えています。
とはいえ出会いとなると、有効な手段ではありません。LINEオープンチャットは出会い目的の利用が禁止されますし、いまはタイムライン機能もなくなりました。
また動画プラットフォームのVOOM機能も、あくまで配信者と視聴者の関係性ですから、出会いにつなげるのは難しそうです。
LINEで出会いを探すのは、効率の良い方法とは言えない調査結果になりました。
20代男性の意見
ラインで実際に会う事は抵抗がない人であればおすすめできますが、あくまでもネット上のリテラシーを守った上での行動が必須になると思います。
20代女性の意見
正直、オープンチャットは匿名なので出会うのは難しいと思います。
第6位:TikTok(0.7%)
今回の調査で最下位だったのがTikTok(ティックトック)です。
15秒から3分ほどのショートムービーを投稿できるアプリで、10代~20代の若い世代に人気を誇るSNSです。
多くの可愛い女性やイケメンの男性が配信者として動画を投稿しますから、一見出会い目的の利用者も多いようにも見えますが、意外と硬派なよう。あくまで配信者と視聴者と考える方がほとんどでした。
また基本的に動画は加工しますし、未成年の利用者も多いSNSですから、出会い目的で利用するのはおすすめできません。
20代女性の意見
映像にフィルターかかりまくりなので出会いには向かないと思います。
10代女性の意見
TikTokで繋がった人は顔が見えないことに加え、実名でやっているとは限らないため、直接会うことは危険だと感じます。
SNSで自然な出会いを探すコツを解説
基本的には出会い目的でSNSを活用するのはおすすめしませんが、SNSを利用するうちに、自然と出会いに恵まれるのは素敵なことです。
そこで以下では、SNSを通じて自然な出会いを探すコツを解説します。
- プロフィールを充実させる
- いいねやメッセージなど、自然な交流を心がける
- 趣味のコミュニティを活用する
プロフィールを充実させる
SNSで出会いを探なら、まずはプロフィールを充実させるのがおすすめです。
プロフィール欄が空欄で、写真も設定されないアカウントは、いわゆる捨て垢と判断されかねません。
そのためプロフィールには、少なくとも自己紹介文やプロフィール写真を設定するのがおすすめ。プロフィールが充実していると、お相手との共通点も見つかりやすくなるため、友人を探すのにも役立ちます。
いいねやメッセージなど、自然な交流を心がける
「お!この人合いそうだな」という人を見つけたら、まずはフォローをし、いいねやコメントの書き込みで自然に交流を深めるのがおすすめです。
ただむやみに送るのではなく、その人の興味関心に合わせたメッセージを送るのがコツのひとつ。そうして交流をくり返すうちに、お相手に認知され、お互いにリアクションを行う関係性になるでしょう。
いきなりダイレクトメッセージを送ると、出会い厨と認識される危険性もあります。間違っても、しつこく「今度会いませんか?」と迫ったり、交換先を聞いたりするのは避けましょう。
趣味のコミュニティを活用する
SNSによっては、同じ属性のユーザーだけが集まるコミュニティ機能がありますから、趣味の合う友達とつながりたいのなら活用するのもおすすめです。
たとえば音楽が好きなら、音楽好きのコミュニティに参加するのも良いですし、「#〇〇(アーティスト)好きな人とつながりたい」というハッシュタグを活用するのも良いアイデアです。
音楽コミュニティで同じアーティストのファンと意気投合すれば、一緒にコンサートに行くこともあるでしょう。
ただしはじめから出会い目的を全面に押し出せば、白い目で見られることも考えられます。まずは趣味を楽しむことを第一に、ユーザーとの交流を楽しむのがおすすめです。
SNSで出会いを探す危険性と注意点
SNSで出会いを探すことには、さまざまなリスクがつきまといます。
普通に利用する中で、自然と良い出会いがある分には素敵なことです。しかし本格的に出会い目的で利用しようと考えるほど、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。
SNSで出会いを探すなら、以下で紹介する注意点も知っておいてください。
相手の身元がまったくわからない
SNSで出会いを探す懸念は、すべてのSNSで本人確認がないことです。
画面の先にいる相手の性別・年齢・職業・写真も、だれが確認したわけでもありませんから、本当のところは全くわかりません。
大人が未成年とデートすれば、たとえ知らなくても法的なトラブルにつながることもあります。
一方マッチングアプリなら本人確認がありますし、運営が24時間監視しますが、SNSにそういった機能がないと理解しておきましょう。
出会い目的の人が少なくて打率が悪い
今回の調査で分かったのは、あえてSNSで出会いを探すメリットは薄い点。
そもそも出会い目的でSNSを利用する人自体少なく、また出会いを前面に出す人は出会い厨として敬遠されたり、晒されたりする可能性すらあります。
もちろん自然な出会いがあれば素敵ですから、普通に利用する中で出会いに期待するのはおすすめです。
しかし出会い目的でSNSに登録するくらいなら、恋活や婚活向けマッチングアプリの利用をおすすめします。
業者から狙われやすい
SNS上で出会いを探す動きを続けると、業者に目をつけられる可能性が上がります。
とくに女性のフリをしてアダルトな方面で誘うアカウントは、出会い目的の男性を格好の餌食と見ています。
悪質なサイトや違法サイトに誘導される事例もありますから、引っかからないよう慎重に行動してください。
出会いを探すと規約違反になることもある
SNSでは、出会い目的の利用が規約で禁止されることがあります。規約違反すると、アカウントの凍結など重い処置につながることも。
なお今回調査したSNSの利用規約は、それぞれ下記のとおりです。
SNS | 利用規約 |
---|---|
出会い禁止の条文はない。 自己責任が強調。 | |
LINE | 出会い目的の利用が禁止。 |
Instargram | 出会い禁止の条文なし。 |
TikTok | 出会い禁止の条文ない。 年齢制限に関する条文は厳しく定められている。 |
出会い禁止の条文なし。 | |
mixi | 出会い目的の利用が禁止。 |
出会い探しが利用規約で明確に禁止されるのは、LINEとmixiの2つです。しかしLINE・mixi以外のSNSなら、自由に出会いを探していいわけではないことには注意が必要です。
出会い目的の行動は迷惑行為と取られることも多いため、結果的に規約違反になる可能性があります。
SNSで出会いを探すなら、慎重な活動をおすすめします。
出会い探しならSNSよりマッチングアプリがおすすめ
今回の調査により、総合的にSNSは出会いに向いていないと判断できました。
普段SNSを利用する中で、たまたま仲良くなった人と何かのタイミングでオフ会を開いたりするのは、よくあることです。
しかし出会い目的でSNSを利用しても良い結果にはならないと、今回の調査結果に如実にあらわれていました。
真剣に出会いを探すなら、本人確認や監視体制システムの整ったマッチングアプリを利用するのがおすすめです。
ぜひより安全な方法で、効率よく出会いを探しましょう。
記事を書いた人
ENSPORTS magazine編集部