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富士山とは
静岡県と山梨県にまたがる独立峰である富士山。端正かつ雄大な標高3,776mの山容は、日本人のみならず世界中の人々を魅了してやみません。
登山好きのカップルなら、その雄大な姿で多くの人をひきつける日本最高峰の頂に、一度は登ってみたいと思うでしょう。
7月から9月の開山期には例年20万人以上の登山者が富士山を訪れ、山頂をめざします。ご来光や雲海など、他では味わえない魅力がたっぷりの富士登山は、ふたりの夏の思い出づくりにぜひおすすめしたいアクティビティです。
富士山へのアクセス・基本情報
- 名称
- 富士山
- 住所
- 〒418-0112
静岡県富士宮市北山
- 電話番号
- 0544-21-3220(富士山総合案内)
- 営業時間
- 24時間
- 定休日
- 7月1日〜9月10日のみ通行可能※ルートや年によって変更あり
- 料金
- 山梨県側ルート:2024年より入山料2,000円
静岡県側ルート:2024年現在入山料1,000円(支払いは任意)
- アクセス
- (マイカー)東名高速「裾野IC」から「水ヶ塚公園」まで自動車で約35分
(公共交通) JR三島駅、JR新富士駅、JR富士駅、またはJR身延線富士宮駅から登山バスを利用
※富士宮口5合目
- 駐車場
- 300台(水ヶ塚公園駐車場)
富士山の魅力
魅力1古来から多くの人を魅了してやまない日本一の山
その美しい姿と激しい噴火をくり返した歴史から、崇められてきた富士山。古来より神の住まう山として信仰されてきた富士山への登山は「登拝」と呼ばれ、平安時代以降、山伏や修験者など、限られた者のみにより実践されていました。
江戸時代に入ってからは集団での富士登山が庶民の間で流行。以降現在に至るまで、老若男女を問わず毎年多くの登山者が山頂をめざしています。
一方で、その美しい姿は葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵画家たちの画題としても好まれ、富士山をテーマに多くの名画が生まれました。そうした作品がゴッホやモネら印象画家に影響を与えるなど、国境を越えて多くの人々に感銘やインスピレーションを与えています。
信仰の対象として、そして芸術の源泉としての価値が国際的に認められ、2013年には世界文化遺産にも登録された富士山。現代でもその魅力に惹きつけられた人々が世界各地から訪れています。
魅力2特徴の異なる4つの登山道で、静岡・山梨の両県から山頂をめざせる
静岡、山梨の両県から富士山頂へと続く4つの登山ルート。それぞれのルートの起点となる登山口は中腹にある五合目に位置しており、路線バスやタクシーでアクセス可能です。
4ルートのなかで唯一山梨県側から伸びるのが吉田ルート。都心からのアクセスが良く、コース上に多くの山小屋があることから最も登山者の多いルートです。
静岡県側で人気なのが富士宮ルート。4ルートの中で5合目の標高が最も高く、山頂までの距離が短いのが特徴。駿河湾や伊豆半島の美しい風景を眼下に望むロケーションの良さも魅力です。
上記の2コース以外にも下山時に豪快な「砂走り」が楽しめる須走ルート、最も距離が長く上級者向けである分、登山者が少なく静かな登山が楽しめる御殿場ルートと、異なる魅力をもつ4コースから登山道を選べるのが富士登山の魅力。
お住まいの街からのアクセスや各コースの特徴を調べたうえで、ふたりにとってベストなコースを選択しましょう。
魅力3日本最高所からの眺望やご来光が楽しめる
富士登山の魅力といえば、日本一の頂からの絶景。雲海や日の出など、登山者だけが味わえる絶景が堪能できます。
富士登山でぜひ体験したいのが山頂から眺めるご来光。雲海を赤く染め上げながら太陽が登っていく光景は、圧巻の一言です。
ご来光に合わせて、多くの登山者が夜明け前に山頂をめざすため、山頂手前で渋滞が発生し、日の出までに間に合わないこともあります。
ご来光目的の登山なら日の出の1時間前には山頂に到着できるよう、早めの出発を心がけましょう。またできるだけ山頂に近い山小屋に宿泊することで、移動時間の短縮が可能ですよ。
富士山では天気が変わりやすく、せっかく山頂に登ってもご来光が見えないこともあります。少しでも可能性を高めたければ、開山期間のうちご来光が見られる確率が最も高い8月の登山がおすすめです。
富士山のおすすめデートプラン
富士登山を体験するときの、おすすめデートプランをご紹介します。
今回おすすめしたいのは、富士宮ルートで山頂をめざす1泊2日のコース。初日は5合目から9合目の山小屋へ歩き、翌日にご来光を求めて山頂をめざします。
ぜひふたりで、心ゆくまで楽しんでください。
富士宮口五合目を出発!高所に体を順応させながら山小屋へ向かおう
富士宮口から登山スタート。眼下に駿河湾の海原を望みながら、9合目の万年雪山荘までの山歩きを堪能しましょう。
富士宮ルートの登山口は標高2,400mに位置しており、全4ルートのなかでも最短で山頂に到達可能。反面急な登山道が多く、低酸素の影響を受けやすいため、高度順応が不可欠です。
登山口に着いたらすぐに出発せず、1時間ほど高所に体を慣らす時間をとりましょう。
準備が整ったらいよいよ登山開始。まずは6合目までゆるやかな坂道を20分ほどかけて歩きます。
6合目を過ぎると本格的な登山道に入り、大小さまざまな火山岩が転がる斜面を登ります。バランスを崩して転倒しないよう注意しながら進みましょう。
7合目を迎えると登山道の傾斜は更にきつくなります。
標高3,000mを超え、酸素濃度がふもとより30%ほど低い状態になるため、高山病の兆候となる症状が出る場合も。体調が悪くなったら無理をせずペースを落とし、呼吸を深くするよう意識しましょう。
今回は9合目に位置する万年雪山荘で宿泊するため、初日の移動距離は長くなりますが、そのぶん翌日は山頂まで短時間で到達可能です。山小屋に到着したら早めに夕食をとり、翌日に備えて休息をとりましょう。
夜明け前に山小屋を出発!山頂でのご来光をめざし夜の富士山を登ろう
2日目は夜が明けないうちに山小屋を出発します。夜の登山道を歩き、山頂でのご来光をめざしましょう。
万年雪山荘から山頂までの所要時間は約1時間。日の出の2時間前に山小屋を出発すれば余裕をもってご来光を迎えられるため、日の出時刻を事前に調べておきましょう。
登山道は真っ暗なため、ヘッドライトが必須です。足元をしっかりと照らしながら、慎重に岩場を歩きましょう。
9.5合の山小屋を過ぎ、最後の難所「胸突き八丁」を超えると、山頂の鳥居が見えてきます。鳥居をくぐると富士宮ルートの10合目「富士山頂奥宮」に到着です。
山頂に到着したら、ご来光が見えやすそうな場所を確保しましょう。
奥宮から西に10分ほどの「朝日岳」が鑑賞ポイントとして人気です。標高3,700m超の山頂周辺の気温は真冬並みのため、ダウンジャケット等の防寒着を着用したうえで、日の出を待ちましょう。
東の空を眺めると、徐々に水平線が赤みを帯び雲海が輝き始めます。
いよいよ太陽が顔を出し周囲がまばゆい光に包まれると、その美しさに周囲からも感嘆の声があがります。隣にいる恋人とはもちろん、各地からの登山者とともに日の出の瞬間をながめて同じ光景に感動することで、他にない一体感が味わえます。
山頂から拝むご来光は、富士登山に挑戦したものだけが見られる神秘的な光景。ぜひふたりの足で日本一の頂きへ登り、感動の絶景を体験してみてください。
日の出のあとは火口をぐるりと一周!お鉢巡りを楽しもう
ご来光を拝んだあとは山頂をぐるっと一周する「お鉢巡り」に挑戦してみましょう。
かつて富士山信仰の信者たちがご来光を眺めたあと、時計回りに山頂を一周していたのが発祥といわれるお鉢巡り。
約3kmの火口の縁を歩きながら眺める風景は、ふもとから見る端正な形とは全く異なります。ダイナミックで荒々しい富士山の一面が発見できますよ。
奥宮から西に進むと、本栖湖や精進湖など、山梨側の絶景が堪能できます。運が良ければ富士山のシルエットが雲海やふもとに向けて伸びる「影富士」が見られることもあります。限られた条件下でしか見られない貴重な絶景ですよ。
標高3,776mの国内最高地点は、奥宮の北東に位置する剣ヶ峰にあります。
剣ヶ峰の山頂には日本最高峰を示す石碑があり、写真撮影のために行列ができることもあります。剣ヶ峰を避けて進むことも可能ですが、時間に余裕があればぜひ訪れてみましょう。
2〜3時間ほどで火口を一周し、奥宮に戻ります。一息ついたら下山を開始しましょう。
連日の登山に加え、睡眠不足や低酸素の影響もあり、思っている以上に体が疲労しているはずです。下りは特に事故が多いため、あわてずゆっくりと登山口をめざしてください。
火口を一周しながら、さまざまな角度からの富士山頂の景色が楽しめるお鉢巡り。国内最高所や影富士など、お鉢巡りならではの見どころも多いため、時間と体力に余裕があればぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
富士山は国内最高所からの絶景が堪能できる、アクティブデートにおすすめのスポットです。
下調べや準備を怠らず、好天候に恵まれれば登頂は決して不可能ではありません。苦労の末にたどり着いた山頂からともにご来光を眺めれば、ふたりの絆を深める特別な思い出になること間違いなしです。
富士山は夏の限られた期間のみ登山可能です。短期間に多くの登山者が集中するため、人気の山小屋は早い時期に埋まってしまうことも。早めの計画を心がけ、しっかりと準備したうえで富士登山に挑戦してみてください。
記事を書いた人
ENSPORTS Place編集部